筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 助教
本発表は視覚障害者支援における情報通信技術(ICT)の生成AIの役割を探るものである。日本における視覚障害者は312,000人以上といわれており、ICTを用いた歩行支援や空間認知、活字情報の提示などの面において様々なサービスの提供や研究が行われている。
特に近年では、これら視覚障害者向けサービスの提供に生成AIが用いられることがある。OpenAIのChatGPTは視覚情報に頼らずに利用でき、プログラムコードの作成、英文の添削、誤字・脱字の調整などを可能にしている。また、画像生成AIはテキストベースの対話により図表やイラストの作成、それらをテキストで説明することが可能であり、視覚障害者に新たな情報アクセス手段を提供している。
さらに、Be My Eyesのようなボランティアによる視覚補助サービスや、GPT-4を利用したバーチャルボランティア「Be My AI」など、多様な支援手段が登場している。これらは視覚障害者が撮影した写真をAIが解析し、風景や活字情報などを解析する。
本講演では、このような生成AIの活用事例に加え、歩行支援、施設情報の提供、活字情報の読み上げ、物探し等さらなる生成AIの応用先についての今後の発展への期待を語る。
生成AIによる視覚障害者支援技術は、視覚障害者の生活を支援するだけでなく、全ての人々の生活を豊かにする可能性を秘めている。