TRONプロジェクトは、1984 年に始まったリアルタイム組込みシステム開発環境の整備プロジェクトです。いまでいうIoT──「超機能分散システム」の普及を予見し、その時代のリアルタイム組込みシステムの需要増に対応するためにスタートしました。
今年2023年には、プロジェクトリーダーの坂村健がIEEEから IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award を受賞し、また、TRONリアルタイム・オペレーティングシステム・ファミリーがIEEEマイルストーンに認定されるという二つの大きな評価を受けました。
IEEEマイルストーンは、IEEEによって、電気・電子・情報技術及びその関連分野における重要な技術的成果を認定し顕彰するプログラムです。このプログラムは、1983 年に設立され、ユニークな製品、サービス、基本的な論文、及び特許など、IEEEに関連するあらゆる分野の優れた技術的成果を強調し、社会全体のエンジニアリングに対する理解と評価を向上させることを目的としています。具体的な認定基準としては、25年以上にわたって社会で高く評価されている実績が必要とされています。
このIEEEマイルストーン認定は、TRONリアルタイム・オペレーティングシステム・ファミリーの技術的成果とその影響を認識し、評価するものとなっています。この認定により、東京大学に記念のプレートが恒久展示されました。
今年のTRONSHOWでは、40年の成果を振り返る記念セッションが開かれるほか、TRONプロジェクトの未来に向けた展望についても議論されます。
展示会場では、各種セミナーを実施します。